色と食の教室 diaria◎

「色」と「食」を通して「頑張らず、楽に生活する」ことをお伝えしています。*このページは以前の活動内容です。現在の活動は「すずきあやのおつまみ薬膳」で紹介しています。

【二十四節気】「立冬」2018

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みなさま、こんにちは!

鈴木綾です(^o^)

 

はー!!

先週はとても寒かったですね。

予想最低気温は11℃となっていたのに「現在気温6℃」なんて日もありました。

今日から「立冬(りっとう)」です。

とうとう冬がやってきましたよ!!!

 

身体を温めるような薬膳や食材をばんばん書いていきたいところですが、まずは秋のおさらいです。

 

「秋の養生法」

 

【陰陽のバランス】

・陰と陽の割合が半分くらいになり(=昼と夜の長さが一緒)、秋分からは日が暮れるのがどんどん早く(=陰の割合が多く)なっていく。

・気温を陰陽で分けると、陰は「低温」。

→冬に向け、寒さが強まっていく。

 

【五行のバランス】

・金行(ごんぎょう)に当てはまる気(この場合は外気のこと)は「燥」。

→これが強くなりすぎたり、免疫力が衰えていると「燥邪(そうじゃ)」となり、人体に影響が出てくる。

具体的な症状は、

◯のどや鼻が乾燥して、咳が出る。

◯肌が乾燥してくる。

◯痰が出やすくなる、など。

・肺が弱って、それが長く続くと憂いたり、悲しい気持ちが起こりやすくなる。
→逆もしかり。悲しい気持ちに浸りすぎたり、憂う期間が長くなると、肺が弱ってくる。

 

【秋を快適に過ごすポイント】

・肺を潤す(滋陰潤肺)。

・気を補い肺を強くする(益気補肺)。

・(風寒感冒)温めて体の表面から寒さを出す(辛温解表)。

・(風熱感冒)熱を冷まし体の表面から熱を逃がす(辛涼解表)。

 

【秋を快適に過ごすための食材】

(滋陰)黒豆、山芋、エリンギ、ほうれん草、梨、ぶり、豚肉、卵、チーズ、ヨーグルト、など。

(潤肺)はちみつ、アーモンド、いちじく、すだち、りんご、みかん、バナナ、など。

(益気)玄米、大豆、かぼちゃ、舞茸、ぶどう、いわし、鮭、羊肉、など。

(補肺)赤米、餅米、アスパラガス、甘酒、など。

(辛温解表)しそ、しょうが、ねぎ、わさび、など。

(辛涼解表)トウチ、ミント、菊花、葛など。

 

実は先週久々に熱を出し、漢方薬の一つである麻黄湯を飲みました(´-`)

(漢方と私が勉強中の中薬は違うものですが、「漢方」という言いかたが馴染みがあると思いますので、今回は漢方と呼びます。)

さすがマオウさま♡一晩で熱が下がりました!

麻黄湯のことを私は尊敬の意味をこめて「マオウさま」と呼んでいます)

薬膳ではなく薬ですが、今回はこれをお話ししようと思います(^o^)

 

 

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その時の私の症状は、

・最初頭が張り痛かったが、葛根湯を飲んでもよくならなかった(私は首凝り持ちで、頭痛の時は大抵葛根湯を飲んでいます)。

・数日前から、水っ鼻が出て鼻が詰まる。

・張りのある声が出ない。

・汗がすっきり出ない。

・寒気がある。

・頭がぼーっとする。

・背中が痛い。

・ふしぶしがだるい。

でした。

 

ちょうど生理と重なっていたので「生理痛かな…」と考えましたが、働いている途中で「いや、この背中の痛みは…熱だ!」と気づき、熱をはかったら37.0度。

私は平熱が35.2度とかなので、かなりの高熱です。

 

葛根湯とどちらを飲もうか迷いましたが、今回は、

・汗がすっきり出ず、背中が痛く熱もある。

・数日前から水っ鼻で、かつ鼻が詰まる。

・張りのある声がでない。

・葛根湯を飲んでも頭痛が治らなかった。

ということ、そして、

・連日、寒い時間帯に外に長時間立っていた。

冷え性体質。

・悪化する前で体力があった。

という経緯があり、麻黄湯を選びました。

 

麻黄湯の組成と各性味は以下の通り。
・麻黄(辛微苦/温、肺・膀胱、発汗・平喘・利水)
・桂枝(辛甘/温、心・肺・膀胱、発汗解表・温経通陽)
・杏仁(苦/温、肺・大腸、止咳平喘・潤腸通便)
・甘草(甘/平、心・肺・脾・胃、補脾益気・潤肺止咳・緩急止痛・調和諸薬)

 

お気付きの通り、肺をしっかり温めて寒邪(かんじゃ、体に悪影響を与えている寒さのこと)を外に出させる生薬が配合されています。

麻黄湯は辛温解表薬に分類されます。感冒についての詳細はこちら

 

服用して寝たら、次の日は35.4度!

週末の予定もキャンセルすることなく楽しみました〜(>_<)

 

ところで、みなさんは「漢方いいよって言われたから飲んで見たけど、効かなかった!」という体験、されたことありますか?

これは中医学だと「証(しょう、◯◯病の病の部分のこと)」の誤りによるものと考えます。

 

今回の例でいうと、「頭が痛く」「ぼーっとして」「熱があり」「ふしぶしが痛い」ことから、あわてて「熱を下げなきゃ!」と解熱剤のようなものを選びがち。

しかし、よく考察するとこの熱は「寒いところに長時間立っていたため、肺が冷えて抵抗力がなくなり引き起こされた」わけですから、たとえ熱があっても(肺は)温める必要があります。

 

もし熱を冷ますような漢方(例えば銀翹散など)を服用していたら「熱は下がったけど体がだるく、鼻水が止まらない」という症状になっていたと思います。

→これが「熱に効くっていう漢方飲んだのにあまりよくならなかった…」

=いわゆる副作用、の仕組みです。

漢方が効かないのではなく、間違った薬を選んでいると言えますね。

 

 身体の仕組みを少しでも理解していたり、ちょっとした知識があると、こんなふうに身近なもので体調管理ができるようになります!

そんなわけで、全体をざっくりとらえるところからスタートする中医学に私ははまっています(>_<)

 

「頭痛に葛根湯?どういう仕組みですか??」

中医学…ちょっと興味持ちました」

などなど、なんだか気になるなぁというかたはぜひご連絡ください
お待ちしています(^人^)

*私は医者でも薬剤師でもないので、薬に関しては、漢方を飲んだ自分の体験や中医学の視点からの説明をしています。治療を希望されるかたはお医者さんや薬局をお訪ねください。

 

*鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら


*次回「小雪(しょうせつ)」は11/22頃を予定しています。
 お楽しみに☆☆