色と食の教室 diaria◎

「色」と「食」を通して「頑張らず、楽に生活する」ことをお伝えしています。*このページは以前の活動内容です。現在の活動は「すずきあやのおつまみ薬膳」で紹介しています。

【二十四節気】「霜降」2018

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みなさま、こんにちは!
鈴木 綾です(^o^)

 

朝晩冷えるようになってまいりました。
前回は感冒についてお話ししましたが、お風邪などひかれてないでしょうか??
寒暖差にやられやすい時期です。
いつも以上に身体を大切に過ごしましょう!

 

さて、秋ということで、金行に関わることを立秋からお話ししています。
ここに当てはまる感情は「憂、悲」。

 

秋になってわけもなく涙が出る…
なんだか悲しい気分になる…
繊細さが増しているような気がする…

 

そんなかたは「燥邪」の影響を受けて、肺が弱くなっているのかもしれません。
(感情、邪気、臓腑の五行相関図はこちら↓)

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秋分」では乾燥に耐えている肺に対して、血や津液を増やすことで肺を潤す【滋陰潤肺】の薬膳をご紹介しました。

 

今回は潤すのが間に合わない上、すっかり肺が弱ってしまった(乾燥するだけでなくもなくなった状態)の場合のお話です。

具体的には、
・免疫力が減るため、風邪をひきやすくなる。
・鼻水が止まらなくなる。
・咳が続く。
などの症状が出てきます(感冒ですね)。

 

それが長く続くことで、気持ちにも影響が出てきます。
中医学では「心と体はつながっている」と考えるのですが、
それはこんなかんじ↓

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肺が弱って、それが長く続くと憂いたり、悲しい気持ちが起こりやすくなります。
そして、その逆もしかり。
悲しい気持ちに浸りすぎたり、憂う期間が長くなると、肺が弱ってきます。

 

私が悲しい気持ちのときを振り返ってみると…
うつむいて涙をながしたり、
伏せったりしていることが多いような気がします…

泣きすぎるとしゃくりあげて呼吸がうまくいかなくなったり、
うつむいてばかりいると背中がまるまり、浅い呼吸になります。

 

肺は呼吸をすることで新しい空気を取り込み、規則的な呼吸は心臓と協力して血液の運行を調節しています。

乾燥を放っておいても、悲しみに長く浸かっていても、肺が弱る原因となります。

 

今回は肺がすっかり弱ってしまったあなたに、気を補って肺を強くする【益気養肺(えっきようはい)】の薬膳「赤米ごはんとろろがけ、蕪とエリンギの味噌汁」をご紹介します!

 

【益気養肺】の薬膳「赤米ごはんとろろがけ、蕪とエリンギの味噌汁」

 

材料(2人分)
・赤米(甘/温、脾・胃・肺、補中・補気)…小さじ2
うるち米(甘/平、脾・胃、補中・補気・健脾)…1合弱
・山芋(甘/平、肺・脾・腎、健脾・補気・潤肺)…8cmくらい
・蕪(甘苦辛/温、脾・肺、補五臓・降気・滋陰)…1把
・エリンギ(甘/平、肺・腎、補陰)…大1本
・味噌(甘鹹/温、脾・胃・腎、温中・降気・解毒)…大さじ3加減
・出し汁(顆粒だしでOK。今回のおすすめはかつお)…2カップ

 *かつお(甘/平、腎・脾、補気・健胃・益精)
・お好みで醤油(とろろごはん用)

 

作り方

①赤米とうるち米を混ぜ、1時間ぐらい水に浸し、炊く。

②山芋はすっておく。

③出し汁に切った蕪とエリンギを入れ、味噌汁を作る。

*季節柄お腹を温めたほうがよいと思い、味噌汁にしました。

 

私も作ってみました↓

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お腹にも優しそうな薬膳になりました。
働き盛りのかたは肉が欲しいでしょうか…。

 

今回のように、気を補うときは帰経が脾にあるのもポイント。
五行相関図をもう一度見返してもらうと↓

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脾から出た実線矢印は肺に向かって伸びています。
これは「相生(そうせい)」と言って、まるで親子のように、矢印の先の臓腑を育てるという意味。
脾を強くすれば、肺も丈夫にすることができる、というわけですね。

 

あと2週間もすれば立冬
冬がやってきますよ〜!
今のうちに肺を鍛えておきましょう(>_<)

 

「心と体がつながってるっておもしろいな〜」
「五行、興味あります」
「私の好きな秋の食べ物は…」
などなど、中医薬膳に興味を持たれたかた、食べるのが好きなかた、ぜひご連絡ください
お待ちしています(^人^)

 

*鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら


*次回「立冬」は11/7頃を予定しています。

(今年はちょっと遅いのね〜)
 お楽しみに☆☆

 

【二十四節気】「寒露」2018

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みなさま、こんにちは(^o^)

鈴木綾です!

 

最近、最低気温が20℃を下回ってるせいか(?)、落ち葉がすごい!!

あぁ〜…私の苦手な冬がせまっています…。

冬用の薬膳酒つくろうかしら…。

 

冬の前に、秋の薬膳のお話ですね!

前回は「燥邪の影響から肺がダメージを受ける」のを防ぐため、

肺を潤す「滋陰潤肺」の薬膳をご紹介しました。

 

今回は、肺がダメージを受けたあとのこと、つまりカゼのお話をしたいと思います。

(「風邪(ふうじゃ)」との区別のため、以下「感冒」と呼びます)。

 

感冒にはいくつか種類があるのですが、

・風寒感冒(ふうかんかんぼう)

・風熱感冒(ふうねつかんぼう)

簡単にこの2つを説明します。

 

①【風寒感冒の症状】

・寒気が強い。

・微熱〜発熱がある。

・汗が出ない。

・頭や節々が痛む。

・鼻水が透明で水っぽい。

・咳が出る。

・痰はうすく白っぽい。

・温かいものを飲みたがる。

 

②【風熱感冒の症状】

・体が熱く感じる。

・少し寒気がする。

・頭が張り痛い。

・咳が出る。

・痰が黄色くドロっとしている。

・喉や口が乾く。

・鼻がつまる。

・冷たいものを飲みたがる。

 

①も②も感冒で共通する症状がありますが、体に熱がこもっているのか、寒さがたまっているのかの違いがあり、これによって治し方も変わってきます。

 

①【風寒感冒の治し方】

・体に寒さがたまっている。

→温めて体の表面から寒さを出す(辛温解表・しんおんげひょう)。

 

②【風熱感冒の治し方】

・体に熱がこもっている。

→熱を冷まし体の表面から熱を逃がす(辛涼解表・しんりょうげひょう)。

 

というわけで、【辛温解表】【辛涼解表】のお茶をそれぞれ紹介します(^o^)

 

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【辛温解表】の薬膳茶「シナモンジンジャーティー

・シナモン(辛甘/温、肺・心・脾・肝・膀胱、散寒・解表・温経)…少々

・ジンジャー(生姜)(辛/微温、肺・脾・胃、発汗・解表・散寒)…1かけ

・紅茶(苦甘/温、心・肺、養心・安神・止渇)…ティースプーン1杯

*写真は乾姜です。すみません…。

 

【辛涼解表】の薬膳茶「菊花入りミントティー

・菊花(辛甘苦/微寒、肺・肝、疏風清熱・明目・解毒)…ティースプーン1杯

・ミント(薄荷)(辛/涼、肺・肝、疏散風熱・清利頭目・利咽・透疹)…ティースプーン1杯

 

*それぞれお湯を200mlくらい注いでお召し上がりください☆

 

今回ご紹介のお茶は薬ではありません。

生薬は食品としてスーパーやハーブ屋さんで手に入れやすいものを選んでいますので、効果はかなり穏やか。

しんどい場合はきちんとお医者さんや薬局に相談に行き、早めに治療しましょう(^o^)

感冒はかかりはじめが肝心です!!!

 

「こういう症状のときは中医学ではどうするの??」

などなど、中医学の考え方に興味を持たれたかた、お問い合わせください(^人^)

お待ちしています!!

 

鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら

 

*次回「霜降」は10/23頃を予定しています。

 お楽しみに☆☆

 

 

 

【二十四節気】「秋分」2018

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みなさま、こんにちは〜!
鈴木綾です(^o^)

最高気温が30度を超える日が少なくなりましたが、お元気でいらっしゃいますか??

 

私の住んでる地域は先週雨が続いていて、なんとも過ごしにくかったです…。
こんな時は脾が弱りやすいのは前回までにお伝えした通り。

 

「燥湿健脾(そうしつけんぴ)」で身体にたまった余計な湿気を飛ばして脾を健康にしないと!なのですが、
なんでこんな時に限ってやたらお酒(湿熱)が飲みたくなるんでしょう???
お陰様で金曜日はだる重〜な一日を過ごしました…。

 

さて、9/23は秋分でした。
カラッと晴れて、秋らしい気候になりました。

「カラッと」。
それが中医学的にも秋の性質です。
前回お知らせした通り、今回から秋のお話をしていきますね!

 

まずは陰陽。
陰と陽の割合が半分くらいになり(=昼と夜の長さが一緒)、秋分からは日が暮れるのがどんどん早く(=陰の割合が多く)なっていきます。

気温を陰陽で分けると、陰は「低温」。

冬に向け、寒さが強まっていきます。

 

そして、五行相関図↓

 

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「カラッと」から連想できるように、金行(ごんぎょう)に当てはまる気(この場合は外気のこと)は「燥」。

これが強くなりすぎたり、免疫力が衰えていると「燥邪(そうじゃ)」となり、

人体に影響が出てきます。

 

「肺」や「鼻」「皮膚」も「金行」に当てはまることから、

・のどや鼻が乾燥して、咳が出る。

・肌が乾燥してくる。

・のどがやたら渇く。

・痰が出やすくなる。

などの症状がみられます。

 

「そうそう!」と感じる項目も多いのではないでしょうか??

 

肺は外気を直接取り込む唯一の臓器。

乾燥した空気のせいで肺も乾燥してしまうのですね。

肺が正しく機能するためには、適度な潤いが必要です。

 

今回は「肺を潤す」という意味の【滋陰潤肺(じいんじゅんぱい)】の薬膳、「黒キクラゲと松の実、豚肉の甘辛炒め」をご紹介します(^o^)

 

【滋陰潤肺】の薬膳「黒キクラゲと松の実、豚肉の甘辛炒め」1人分

材料…黒キクラゲ(甘/平、胃・大腸・肝臓・腎、滋陰・補血・益精)…7個くらい

   松の実(甘/微温、肝・肺・大腸、潤肺・通便・止咳・沢膚)…大さじ1くらい

   豚肉(甘鹹/平、脾・胃・腎、滋陰・補気補血)…80gくらい

   エリンギ(甘/平、肺・腎、補陰)…小1本

   ごま油(甘/涼、肝・大腸、潤燥・通便・解熱毒)…小さじ2加減

   ★醤油(鹹/寒、胃・脾・腎、解毒・健脾・解鬱)…大さじ1加減

   ★はちみつ(甘/平、脾・胃・肺・大腸、潤肺・止咳・潤膚)…小さじ2加減

 

作り方

①黒キクラゲは石づきを取り、エリンギは切る。

②ごま油をしいて、★以外の材料を炒める。

③★の調味料で好みの味になるように味付けする。

 

私も作ってみました↓

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う〜ん!これはごはんに合いますね!!

(もちろんビールにも!黒ビールがいいかな〜…♡)

私はしょっぱめが好きなので醤油多めですが、みなさんの好みになるように醤油とはちみつはそれぞれ加減してくださいね☆

 

その他にも、いちじくや梨など、季節の果物も肺を潤してくれます。

おすすめです(>_<)

 

 「季節の変わり目で◯◯なかんじなんですけど…」

「肺を潤すお茶はなんですか?」

などなど、興味を持たれたかたはぜひお問い合わせください

お待ちしています(^人^)

 

鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら

 

*次回「寒露」は10/8頃を予定しています。

 お楽しみに☆☆