色と食の教室 diaria◎

「色」と「食」を通して「頑張らず、楽に生活する」ことをお伝えしています。*このページは以前の活動内容です。現在の活動は「すずきあやのおつまみ薬膳」で紹介しています。

【二十四節気】「白露」2018

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みなさま、こんにちは!
鈴木 綾です(^o^)

 

9月は台風も多いですが、みなさまお元気でしょうか??
「低気圧で頭痛が…(´-`)」
なんてかたもいらっしゃるかもしれません。

 

9/8は白露でした。
朝夕の寒暖差が出てきて、窓に水滴がつくような時期です。

 二十四節気では「大暑」から「白露」の間を『長夏』と考えるそうです。
というわけで、今回は『長夏』のまとめをしましょう(^o^)

 

『長夏のまとめ』

 

【陰陽のバランス】
・「大暑」で暑さはMAXの状態に。
→汗(津液)とともに気も出て行き、熱中症の原因に。

・暑さのため冷たい物を取り過ぎたり、外と室内の温湿度差の影響を受ける。
→脾や胃が弱りやすい。


【五行のバランス】
・湿度の高い時期は「実りの秋」の手前。

 作物に栄養が蓄えられているイメージから土行。
→土行に当てはまる臓腑は「脾」。
・脾の働きは「栄養を全身に運び水分の代謝を行うこと」。

 脾が弱ると、

→下半身がむくみやすくなる。
 手足を中心に重だるさを感じる。
 味覚異常、口が粘る、口が苦い、唇があれる、など口まわりのトラブルが増える。

 などの症状があらわれる。

・栄養が蓄えられる様子から当てはまる感情は「思」。
→くよくよと思い悩み過ぎると、「気が結び」脾が弱ってくる。
・土行の性味は「甘味」。
→補ったり、痛みを止めたり、調和させる。

 

【長夏を快適に過ごすポイント】
・脾を強くして気をめぐらせる(理気健脾)。

・体にたまった余計な「湿」を飛ばす(健脾利湿)。

 

【長夏を快適に過ごすための食材】

理気)しそ、ピーマン、玉ねぎ、柑橘類、玫瑰花(バラ)、など

(健脾)穀類、豆類、きゃべつ、など

(利湿)小豆、緑豆、レタス、きゅうり、なす、とうもろこし、すいか、など

 

「最近、身体だるくてやる気おきんわ…」

というかたは、脾が弱っているのかもしれませんね。

夏はソーメンすすってました、というかたも多いのではないでしょうか。

(私もソーメン食べてました。ソーメンチャンプルーとビール、最高☆)。

 

素麺は小麦でできています。

小麦の性味はこれです↓

(甘/涼、心・脾・腎、養心・安神・清熱・止渇)

 効能は「心」を養い、精神を安定させる、とのこと、メインの帰経は「心」と言えるでしょう。

性味は「涼」、なるほど、余計な熱を冷ますのですね。

 

立秋」でお知らせしましたが、8月の頭からすでに秋が始まっています。

「そうは言ってもまだまだ暑いよ〜」と体感をたよりに素麺をすすり続けていると、

無意識のうちに身体に必要な熱も冷ましてしまっているかもしれません。

(これはパンにも同じことが言えます)。

 

では、主食のひとつであるお米の性味も見てみましょう。

(甘/平、脾・胃、補中・補気・健脾・和胃)

効能は「気」を補って、脾を強くする。帰経も脾と胃ですね。

性味も「平」と、温めたり冷やしたりなど偏りのない、おだやかな性質です。

 

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以上の性味の理由から、立秋を過ぎてからはお米を主食にするといいかもしれません。

 

でも「お米か…パンが好きなのに〜…」って、がっかりしないでください!

「心」や「脾」や「腎」を温めるもの(温性のもの)と一緒に食べて、

小麦の涼性と±0にすればよいのです!

 

 例えば…

・紅茶(苦甘/温、心・肺、養心・安神・止渇・利水)

・鶏肉(甘/温、脾・胃、温中・補気・益精・降逆)

など。チキンサンドとかおいしそう(^q^)

ソーメンLOVEなかたは、すりおろしたニンニクなどおすすめです!

 

「健康のために好きなものをがまんする」というのは、

不健康への最短距離なのではないかと私は思っています。

バランスをとりながら好きな物を食べて、幸せな毎日を送りましょう(^o^)

 

季節の変わり目は、気持ちと体感と心身に本当に必要なもののバランスが

とても崩れやすいです。

どれも大切だし、調和しているのが理想ですが、

気候の不安定さもあってか、どれかに偏りがちですね。

心と身体の声にしっかり耳を傾けながら過ごしたいものです…

 

長夏のまとめ、脾が関わっていたので、また長くなってしまいました笑。

 

「パンの食べ方、他におすすめおりますか??」

「今の時期にぴったりなお茶が知りたい!」

などなど、興味を持たれたかたはぜひお問い合わせください

お待ちしています(^人^)

 

鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら

 

*次回「秋分」は9/23頃を予定しています。

 お楽しみに!!

 やっと秋について書いていきますよ〜(>_<)

 

 

 

【二十四節気】「処暑」2018

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みなさま、こんにちは〜!
鈴木綾です(^o^)

 

先週涼しかったのはなんだったのでしょうか??
まだまだ暑い日が続いてますね(>_<)
立秋を過ぎていわゆる「季節の変わり目」に入りました。
しっかり養生してまいりましょう!

 

先週、知り合いのかたに「鈴木さ〜ん、私最近胃の調子が悪くて…」と相談を受けました。
確かに夏の終わりのこの季節(気分はまだ夏ですが)、胃が弱ってるかたが多いような気がします。

 

というわけで、今日は「胃」の話。
まずはいつもの五行相関図をご覧ください↓

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これを見ると「胃」は土行に入ります。
そして、胃の隣には「脾」の文字が…!

そうです。
「胃」と「脾」は実はセットなんです。
「胃が弱っている」ということは「脾も弱っている」ことが多いです。
逆も然り。
(これは経絡でつながっているためです。今はとりあえず「セットだ」と認識してください)

 

「脾」はみなさん、私が熱く語っているので性質をご存知かと思います(>_<)

・栄養を全身に運び水分の代謝を行う。

・血が必要以上に外に出て行かないようにする(←これはnew)。

 

では「胃」は何をしてるかというと…
「飲食物をはじめに受け入れ、ドロドロにする」ことが仕事。

「胃」の性質は、

・下に降ろし続ける(上にのぼったら、ゲップが出たり嘔吐します)。

・湿っている状態を好む(脾とは逆ですね)。

 

胃はこのように食べ物を運ぶパイプの一部ですが、

夏の「胃の調子が悪い」「胃が疲れている」状態は、

・ビールなどのアルコールの飲み過ぎ→津液が減っている。

・揚げ物など油っぽいものの取り過ぎ→熱がこもることで津液が減っている。

・アイスなど冷たいものの食べ過ぎ→冷えにより胃気が減っている。

このような日頃の食習慣により、はたらきがにぶってしまってると考えられます。

 

相談に来てくださったかたは「最近自炊してないかも…?」とお話されてました。

というわけで、今日は家で簡単に作れる材料をチョイス。

胃を丈夫にする【健胃の薬膳】「キャベツのスープ」をご紹介します(^o^)

 

【健胃の薬膳】「キャベツのスープ」(2人分)

材料…キャベツ(甘/平、肝・胃・腎、健胃・化湿・清熱)…3〜4枚

   豚肉(甘鹹/平、脾・胃・腎、滋陰・補気補血)…100g

   玉ねぎ(甘辛/温、肺・胃、和胃・降逆・化痰)…半玉

   ピーマン(甘/平、肝・心・胃・腎、理気・除煩・和胃)…1個

*味付けはシンプルに塩にしました。

*お肉の代わりにひよこ豆でもおいしいです。

*本当に胃が弱ってるかたはお肉なくても大丈夫です。


私も作ってみました↓

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慌てて撮って、写真適当ですみません…。

私は胃はあまり弱ってなかったので、豚肉はかたまりを入れました。

あと、写真うつり意識してピーマンと一緒にパプリカも入れました笑

 

夏風邪や、飲んだ次の日などにもおすすめのスープです。
ぜひ作ってみてくださいね!

 

こんなかんじで、中医学の知識があると自分で養生できるんです。

私の夏は冷たいビールと唐揚げ!なのですが、健康を考えて食べるのを控えると心の不健康につながる、と勝手に思ってます(^o^)

いくつになっても好きなものをたくさん食べて楽しく暮らしたいものです(>_<)

 

「今私は胃ではなく○○が不調です〜」

「食材の▽▽は何に効きますか??」

などなど、興味を持たれたかたはぜひお問い合わせください

お待ちしています(^人^)

 

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*次回「白露」は9/8頃を予定しています。
お楽しみに!

 

【二十四節気】「立秋」2018

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みなさま、こんにちは〜!!!
鈴木綾です(^o^)

 

今日は立秋。
全然気分は秋ではありませんが、確かに最近、蝉の鳴き声の種類が変わってきたり、日が暮れるのが心持ち早くなってきたような気がします。

そのノリで秋の薬膳!を書きたいところですが、
本日は「夏の養生法」のまとめをしようと思います(^o^)

 

「夏の養生法」

 

【陰陽のバランス】
夏至で陽がMAXの状態に。
→日差しが強く、気温も湿度も高い日が続く。
・汗(津液)とともに気も出て行く。
熱中症の原因。

 

【五行のバランス】
・日差しが強く気温が高いことから、燃え上がるイメージの火行が当てはまる。
→臓腑に当てはめると「心」。
心のはたらきの一つは「意識をはっきり保つ」こと。
十分な血液がなく、心が正しくはたらかなければ毛細血管の隅々まで栄養を届けることができない。
「頭まで血がまわらない」と、意識はぼんやりとなる。
→「燃え上がる」というイメージから当てはまる感情は「喜」。
浮かれ過ぎていると、いつもできることができなかったり不注意が多くなる。

・火行の味は「苦味」。
→苦味は体にたまった余計なものを取り除く(夏ですと熱や湿気など。中医学用語では清熱、燥湿などと言います)。

 

【夏を快適に過ごすポイント】

・体の熱をさます(清熱解暑)。

・津液を補充し、脾を強くする(生津健脾)。

・心のはたらきを正常にする(養心)。

・汗とともに出て行った気を補う(補気)。

 

【夏を快適に過ごすための食材】

(清熱)小麦、小豆、豆腐、とまと、きゅうり、ゴーヤ、なす、のり、もずく、など

(生津)豆腐、豆乳、きゅうり、オクラ、とまと、すいか、もも、牛乳、緑茶、など

(健脾)穀類、豆類、きゃべつ、など

(養心)小麦、ひじき、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、など

補気)穀類、山芋、かぼちゃ、芋類、など

 

今日は夏におすすめのつくり置きメニュー!

【生津健脾】の薬膳「健脾をめざすラタトゥイユ」のご紹介をします。

ラタトゥイユ…おしゃれな響きですが「ごった煮」って意味ですからね〜。

本来はひよこ豆は入れずに、玉ねぎやパプリカを入れるそうですが、

「健脾をめざす」ようアレンジしてみました(^o^)

 

【生津健脾】の薬膳「健脾をめざすラタトゥイユ」(5人分くらい?)

材料…トマト(甘酸/微寒、肝・脾・胃、生津・健胃・解暑)缶…1缶

   ズッキーニ(甘/寒、脾・腎、清熱、生津、通淋)…1本

   なす(甘/涼、脾・胃・大腸、清熱・利水・健脾)…2本

   ひよこ豆(甘/平、脾・大腸、通便・健脾・養血)…1パック

   ジンジャーパウダー(辛/熱、脾・胃・心・肺、温中・散寒・回陽)…小さじ1くらい

   塩(鹹/寒、胃・腎・大小腸、涼血・解読・清熱)…小さじ2分の1くらい

   胡椒(辛/熱、胃・大腸、温中・降気・解毒)…少々

 

作り方

①なすとズッキーニを切って鍋にいれる。

ひよこ豆とトマトもいれる。

③水を50mlくらいと残りの材料もいれ、煮る。

 

私も作ってみました↓

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オリーブオイルを足して、パスタソースにしました☆

めんどくさがりやの私は、残りは鍋のまま冷蔵庫にIN!

これで5日は持つでしょう〜(>_<)

豚肉と一緒に炒めたり、味噌を入れておみそ汁にしてもおいしいと思います!

 

ラタトゥイユは本来はニンニクを入れるそうですが、今私は全身のいたるところに湿疹ができているので、しょうがにしました。

健康なかたはぜひニンニクにしてください!絶対おいしいです!!!

 

【!重要!】

そして、しょうがを「ジンジャーパウダー」としたのには理由があります。

しょうがは生と乾燥したものでは性味が違うためです。

ちなみに生のしょうがの性味は(辛/微温、肺・脾・胃、発汗・解表・温肺)。

*解表…毛穴を開き、汗として余計なものを外に出すこと。

ジンジャーパウダーなど、乾燥しているしょうがはおなかを温めるはたらきが強いのに対し、生のしょうがは発汗など、体にたまった冷たいものを外に出させるはたらきが強いです。

 

今回の薬膳は「クーラーでおなかが冷えている人」「脾が弱めで冷え性の人」をイメージして考えたので、ジンジャーパウダーを使いました。

ですので「クーラーや夏風邪で水っ鼻たらりー」なかたは、ラタトゥイユはよく温め、発汗・解表作用のある生のしょうがを使うことをおすすめします。

 

中医薬膳はこのように、体に対して「どこに」「どのように」作用するかをとても重要視します。

四性」の「寒・熱・温・涼」を考えた場合でも、「寒い」からといって単純に温めたり、「熱があるから」と熱を冷ますような、体の感覚だけでは判断しません。

寒くても清熱作用のあるものを用いたり、熱があってもさらに熱を上げるようなものを取り入れる場合もあります。

これはまたいつか書きますね!!

 

「トマトの他の調理法が知りたい!」

「では、夏風邪はどんな食材がおすすめですか…」

中医薬膳おもしろそう〜」

などなど感じられたかたは、ぜひお問い合わせください

お待ちしています(^人^)

 

鈴木綾についてはこちら
中医学を用いた体質チェック(薬膳のすすめ)はこちら

 

*次回「処暑」は8/23頃を予定しています。

 お楽しみに!!